日本支援で開業「ホーチミンメトロ」盛況は続くか 初の「都市鉄道」、渋滞の街で利用は定着する?

ベトナム最大の商業都市・ホーチミン市(HCMC)では、急速な都市化と人口増加に伴い、交通渋滞や大気汚染といった課題が深刻化していた。これらの問題を解決すべく、日本の国際協力機構(JICA)の支援のもとで始動したのが都市鉄道(メトロ)建設プロジェクトだ。
約17年の歳月をかけ、ベトナム国内のメトロとして初の地下区間を走行する路線、ホーチミンメトロ1号線が2024年12月22日、ついに開通した。現地での試乗、そして建設プロジェクトを主導したJICAからの情報や関係者への取材をもとにレポートしたい。
開業までには長い年月
ホーチミンメトロ1号線は、都市中心部のベンタイン駅から北東方向のスオイティエン駅までを結ぶ全長19.7kmの路線で、地下区間2.6km、高架区間17.1km、全14駅(地下3駅・高架11駅)をつなぐ。
このプロジェクトはJICAの円借款を通じて、日本の建設会社やエンジニアリング企業が大きく関与している。地下区間(CP1a)は三井住友建設とベトナム企業のJV、高架区間(CP2)は住友商事が統括し、システム関係(CP3)は日立製作所が受注。車両はすべて日本で製造され、東京メトロが現地職員への訓練プログラムを実施するなど人材育成も行っている。
路線は中心部から郊外へと延びており、地下区間は都心部のみだ。電車は銀色のアルミ製車体に青いラインが入った3両編成で、17本が導入された。全線の所要時間は約30分。全駅にホームドアを完備している。
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