シャープが「ロボホン」に込めた再生への覚悟

ロボット型携帯電話が担う、脱"液晶戦略"

シャープは今後、ロボホンの特徴である手足の動作やプロジェクター、音声認識機能を生かしたさまざまなコンテンツやサービスを提供し、他社スマホと一線を画す狙いだ。すでにリクルートやカドカワ、るるぶDATAなどがパートナー企業として名乗りを上げている。

スマホ業界に詳しいジャーナリストの石川温氏は、ロボホンについて「シャープが息を吹き返すきっかけになるとまでは言えないが、チャレンジ精神を失っていないことを示せたという点で大きい」と前向きに評価する。

シャープの長谷川祥典専務(右)は代表権を持つナンバー2。ロボホンは長谷川専務の肝いりプロジェクトだ

海外でも、アメリカの通信大手・T-Mobile のジョン・レジャーCEOが自身のツイッターで「なんでこのロボットスマホは日本にしかないの!?  欲しいと思っているのは僕だけじゃないはず」とロボホンに興味を示している。

人型ロボットの開発では、ソフトバンクが2015年6月に発売した「ペッパー」が先行している。本体価格は20万円程度だが、通信サービスや保証パックに加入すれば支払い総額は100万円を超える。にもかかわらず、毎月1000台の一般販売枠は1分で完売するなど人気を博している。

ロボホンの開発に携わった高橋氏は「ペッパーの発売により、一般の人がロボットを購入するという認識が一気に広がった。いくつかあるロボットの中からロボホンを選んでもらえたら」と話す。

ロボホンが担う、脱"液晶戦略"の重責

ただ、シャープが置かれた状況は相変わらず厳しい。2014年度は2223億円という巨額の最終赤字を計上。2015年度も第1四半期で営業利益が287億円の赤字となり、液晶など主力事業の構造改革は待ったなしの状況だ。

そうした中、今後の屋台骨として期待が高まっているのがコンシューマーエレクトロニクス分野だ。このうち携帯電話と白モノ家電は、いずれも2014年度に約160億円の営業利益を計上。複合機などのビジネスソリューション分野とともに、シャープでは数少ない黒字部門となっている。

長谷川専務は、高橋興三社長とともに代表権を持つシャープのナンバー2だ。その長谷川氏が陣頭指揮するコンシューマーエレクトロニクス分野は、今後のシャープの屋台骨となりうるのか。ロボホンの売れ行きが、その試金石となる。

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