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ライフ #広がる新しい暮らし方 "廃居"という磁力

"廃墟寸前"劣悪な状態で放置された文化住宅、今や人が集まる場所に再生されたミラクル。改修費用は新築以上、それでも壊さなかったのはなぜ?

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大正区も空き家再生の事例となる「ものづくりの現場」としてさまざまにアピールしてくれた。そのおかげで2017年の完成以来「ヨリドコ大正メイキン」と名づけられた北棟は、地域ではもちろん、空き家の再生事例として広く知られる存在になった。

台風で悲惨な状況になった南棟をどうするか

だが、建物はもう1棟ある。しかも、北棟完成の翌年、2018年に関西エリアを襲った暴風雨で南棟は悲惨な状況に陥った。瓦が飛び、扉が空を舞い、人が住めないほどになってしまったのである。

さすがに前述の、たつの市から移住してきた女性も含め、居住者は2019年年末までに退去。完全な空き家になった。

筆者は2020年1月に現地を見に行っているのだが、屋根にはブルーシートが掛けられ、一部の窓はベニヤ板でふさがれていた。廃屋を見慣れている身からしても「これはヤバい」「残すのは難しいかもしれない」と思ったことを覚えている。

台風後に筆者が訪れた時の状態。通り沿いはまだなんとか保たれているように見える(写真:筆者撮影)
ところが裏側に回るとこの通り(写真:オルガワークス提供)
2棟の間部分の被害が大きかった(写真:オルガワークス提供)

しかも、時はまさにコロナ禍である。南棟はそのまま、朽ち果てていくのだろうかと思っていたところに2023年6月、再生したという情報が入ってきた。「どう考えても解体して新築する以上に費用がかかるだろうになぜ?」、最初に頭に浮かんだ疑問はこの一言だった。

建て替え直前くらいの小川文化(写真:オルガワークス提供)

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