「ポテトチップスは体に良くない」は本当か?実は持っていた意外な一面

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

キャノーラ油や大豆油は、抽出するときに化学処理されたり高温に晒されたりすることで、一部の脂肪酸がトランス脂肪酸へと変化するようです。

ちなみに、安いサラダ油のパッケージに「コレステロールゼロ」と書いてあることがありますが、そもそも動物の細胞に含まれているコレステロールが植物油に含まれているはずがありません。

血管専門医が教える新事実 科学的根拠で血流をよくする
『血管専門医が教える新事実 科学的根拠で血流をよくする』(総合法令出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

植物油や魚油などへ、部分的に水素を添加することでトランス脂肪酸が生じる、「硬化油」というものもあります。こちらもさまざまな食品(マーガリン、ショートニング、菓子類、菓子パンなど)に含まれています。

例えば、店でコーヒーや紅茶を飲むときに出てくる、小さいカップに入ったミルクは、ほとんどが植物油脂からできています。代わりにココナッツオイルを使用した方がよいでしょう。日本のあるポテトチップスの大手メーカーは、揚げ油にトランス脂肪酸が含まれないパーム油と米油を使用していると公表しています。

パーム油は、飽和脂肪酸の量がやや多いという特徴があります。米油は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸が多いのですが、約1%のトランス脂肪酸を含んでいるといわれています。

ちなみに、アメリカでは、多くのポテトチップスは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の代わりに、一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸の多い油で揚げられています。トランス脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールを上昇させ、冠動脈疾患などのさまざまな病気のリスクとなるので、アメリカでは全面禁止となっているのです。

油を選ぶときのポイント

これらを踏まえて、油については次のようなことに気をつけましょう。

安い植物油を避ける
「植物油」「植物油脂」「植物性油脂」「加工油脂」と表示されているものを避ける
食品表示に「マーガリン」「ショートニング」が含まれるものを避け、バターにする
コーヒーミルク(コーヒーフレッシュ)を牛乳やココナッツオイルにする

一部の植物油で行われている昔ながらの絞り方、熱を加えず圧力をかけて絞る「低温圧搾法」などの方法で作られている油をとりいれましょう。

食品の成分表示からは、実際にどのくらいトランス脂肪酸が含まれているかわからないので、できるだけ外食や加工食品は控えるのが無難です。

意識して、人工的なトランス脂肪酸を避けるようにしましょう。

梅津 拓史 日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会認定医

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

うめつ ひろし

専門は心臓血管治療。通算の心臓カテーテル治療件数はファーストオペレーターとして2500例以上。

急性心筋梗塞や狭心症の治療を中心に基本的な心臓カテーテル検査から最も難易度の高い慢性完全閉塞病変のカテーテル治療まで幅広く施行し、多くの心疾患の患者を救った心血管カテーテル治療のエキスパート。

現在は、これまでの治療経験から、治療だけでなく疾患の予防が大事だと気づき、生活習慣病全体の治療に従事している。

3年前から本格的に筋力トレーニングを始め、ベンチプレス100kgなど、自身のトレーニング実績も豊富。

その経験も踏まえた食事・運動指導は評判となり、雑誌監修、テレビ出演など各メディアをはじめ、健康分野での活動や取り組みが注目されている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事