「ポテトチップスは体に良くない」は本当か?実は持っていた意外な一面

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「天然由来のトランス脂肪酸」と「人工的なトランス脂肪酸」の違いとは

健康面において、悪者扱いされがちなトランス脂肪酸ですが、すべてが悪いわけではありません。自然由来のものと人工的なものがあり、それぞれ健康上の効果が異なるのです。

自然由来のトランス脂肪酸は、バターや牛脂のような、牛や羊などの反すう動物の脂肪や乳製品に2〜9%含まれています。主な成分は、「共役リノール酸」です。体内で他の脂肪酸と同じように利用されるだけでなく、肥満や心血管疾患によい影響があるといわれ、アメリカなどでは規制の対象外となっています。

このあたりが、日本ではあまり知られていないようです。厚生労働省の資料でも、人工的なトランス脂肪酸と天然のトランス脂肪酸は区別されていません。

人工的なトランス脂肪酸は体内で代謝されないだけでなく、炎症や動脈硬化を引き起こします。とる必要がないどころか、とらないほうがよいものです。

1日のカロリーのうち2%をトランス脂肪酸からとるごとに、心筋梗塞や致死的な冠動脈疾患になるリスクを、20〜30%も上げることがわかっています。

マーガリン、お菓子や揚げ物に含まれているショートニング(マーガリンを濃縮したようなもの)、揚げ物用のサラダ油などにかなりの量が入っています。

マーガリン0.4〜13.5グラム
ショートニング1.2〜31.2グラム
ビスケット類0.2〜7.2グラム
コーン系スナック菓子0.08〜12.7グラム
クリーム類(コーヒーフレッシュなど)0.01〜12.5グラム

一部の市販されているマーガリンは、自主規制でかなりトランス脂肪酸は減りましたが、表示しているメーカーは少数です。平成18年度の日本の食品安全委員会の調査によると、食品100グラムあたりのトランス脂肪酸量にかなり幅があります。

業務用の油の方がトランス脂肪酸を多く含んでいるようですが、スーパーで売っている揚げ物用の油にもかなりリスクが高いものがあります。

例えば日本で一番流通している食用油である菜種油は、ほぼすべてが輸入製品です。カナダが産地のいわゆる「キャノーラ油」です。昔のアメリカの研究ですが、市販されているキャノーラ油と大豆油の成分のうち0.56〜4.2%がトランス脂肪酸だったようです。

これは、かなり幅がありますね。日本のメーカーが提示している1%台のものより、ずいぶん高い数値も出ています。

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