決算説明会でのもう1つの注目点は、TSMCがアメリカの工場で最先端プロセスを用いた半導体の生産を大幅に拡大する方針を打ち出したことだ。魏CEOは、アリゾナ州に建設した第1工場が2024年10~12月期から大量生産を開始し、第2工場もすでに建設が完了して量産準備に入ったことを明らかにした。

第1工場は回路線幅4nm(ナノメートル)に対応したプロセス技術を導入している。第2工場は(現時点で世界最先端の)3nmを採用しており、将来は(次世代の)2nmにも対応する計画だ。
2025年後半に着工予定の第3工場と第4工場では2nmおよび1.6nmを採用、第5工場と第6工場ではさらにその先のプロセス技術の導入を計画している。これらの工場群の完成時には、TSMCの2nm以下の半導体生産能力に占めるアメリカの比率は30%に達する見込みだ。
インテルとの合弁は否定
なお、アメリカの第2次トランプ政権が打ち出した「相互関税」の影響について決算説明会で質問された魏CEOは、「現時点では関税を理由にした顧客の方針変更は見られない」と述べ、次のように補足した。

「今後数カ月のうちに(相互関税の)より具体的な影響が明らかになってくるだろう。われわれは、関税が(半導体の)最終需要に与えるインパクトを継続して注視していく」
(訳注:トランプ政権は4月2日に発表した相互関税の対象から半導体および関連製品を除外したが、別の半導体関税を導入すると予告している)
また、TSMCがアメリカ半導体大手のインテルと合弁会社を設立し、インテルの半導体工場を運営することに暫定合意したとする(アメリカのIT専門メディアが報じた)情報について、魏CEOは「他社と合弁会社を設立する検討はしていない」と否定した。
(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は4月17日
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