
半導体の製造受託(ファウンドリー)世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の業績拡大が止まらない。同社は4月17日、2025年1~3月期の決算を発表。同四半期の売上高は前年同期比41.6%増の8392億5000万台湾ドル(約3兆6808億円)、純利益は同60.3%増の3615億6000万台湾ドル(約1兆5857億円)に上った。
TSMCは1月16日に2024年10~12月期決算を発表した際、2025年1~3月期の売上高についてアメリカドル換算で250億~258億ドル(約3兆5607億~3兆6746億円)とする予想を示していたが、実績はその上限を上回った。純利益に関しても、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)がまとめたアナリスト予想の平均値の3546億台湾ドル(約1兆5552億円)を凌駕した。
AIブームの先行き楽観
目を見張る急成長の原動力はデータセンター向けのAI(人工知能)半導体だ。1~3月期の製品分野別の売り上げ構成を見ると、AI半導体を含むHPC(高性能コンピューティング)の比率が総売上高の59%に達し、2024年10~12月期の53%から6ポイント上昇した。
「AIのデータ処理に不可欠なGPU(画像処理半導体)やHBM(広帯域メモリー)の加速度的な需要増加が、わが社の受注拡大を支えている。AI半導体がもたらす売り上げは、2028年にかけて年平均45%前後のペースで伸び続けるだろう」
TSMCの魏哲家・董事長兼CEO(会長兼最高経営責任者)は決算説明会でそう述べ、AIブームの先行きに楽観的な見方を示した。
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