「時給1200円の日本より、時給1700円の韓国」という残念な現実。《1ドル=109円》水準でないと外国人労働者はもはや日本に来てくれない!

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人手不足
日本の人材獲得競争力が悪化している(写真:Ystudio/PIXTA)
「人手不足」が叫ばれて久しい日本。なかでも深刻なのが、技能労働者の獲得競争です。最近では、かつては考えられなかったような“敗北”を韓国に喫する事態も発生しています。その背景には、円安による実質賃金の低下や移民政策の出遅れといった、日本経済の構造的な弱点が潜んでいます。
本記事では、『日銀の限界』より一部を抜粋・再編集し、介護現場で進行する人材流出の現実、そして為替政策が与える影響について、具体的なデータとともに掘り下げていきます。

1ドル=109円でないと、韓国に人材をとられる

2024年の5月、日本のある造船会社がインドネシアから技能工を採用する予定だった。提示した時給は1200円。ところが、韓国が1700円を提示して、結局、韓国に取られてしまった。担当者は、「昔はこんなことはなかった」と肩を落としたという(朝日新聞「働くなら日本より韓国?」2024年8月25日)。

これは、由々しき事態だと思う。

造船業において、韓国は日本の強力なライバルだ。そして、日本でも韓国でも、技能労働者の人手不足は大変深刻だ。だから、有能な労働者を韓国に取られてしまうのは、日本の造船業にとって死活問題だ。今後とも日本で造船業を維持するためには、この問題について真剣に考える必要がある。

問題は、造船業だけではない。さまざまな分野で、技能労働者の不足が深刻な問題になっている。そして、外国人労働者は、すでに重要な位置を占めるようになっている。

だから、この問題を解決できなければ、日本経済を維持することは不可能になるだろう。

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