「時給1200円の日本より、時給1700円の韓国」という残念な現実。《1ドル=109円》水準でないと外国人労働者はもはや日本に来てくれない!

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前述の記事は為替レートの問題については触れていないのだが、実は、最も重要な問題は、為替レートなのである。2024年5月の円の対ドルレートは、1ドル=155円程度という円安になっていたので、それが人材獲得競争に影響した可能性は高い。

仮にもっと円高だったら、こうした事態にはならなかっただろう。では、そのときに、どの程度のレートだったら、日本が勝てたのだろうか?

冒頭で示した韓国の時給1700円は、日本の1200円の1.42倍だ。だから、韓国ウォンの対ドルレートが変わらず、日本円の対ドルレートが1.42倍だけ円高になれば、両国の賃金水準は等しくなる。

そのためには、ドル円レートが、現実のレートであった1ドル=155円ではなく、109円程度であった必要がある(注)。

もし実際のドル円レートがこれより円高であれば、日本は技能工獲得競争に勝てただろう。

2、3年前なら、こんなことにならなかった

1ドル=109円とか110円という水準は、いま考えると、とんでもない円高に思える。しかし、2022年の初めには、実際のレートはその程度の水準だった。そして、2021年には110円程度だったのだ。 

だから、「昔はこんなことはなかった」というのは、まったくそのとおりなのである。1ドル=110円がわずか数年前の為替レートだったことが信じられないほど、いまの為替レートは円安になってしまった。

1ドルが160円に近づくという異常な状態からは脱却したものの、110円までの円高が簡単に進むとは思えない。

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