「億万長者と闘う!」“イーロン・マスクと対決”バーニー・サンダース上院議員(83)≪異例の熱狂を生む3万6000人集会ルポ≫

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

だが、今回、青い州のカリフォルニア、しかも民主党の本丸のロサンゼルスで集会を開く目的は何なのだろうか。釈迦に説法ではないのか?

民主党員ではなく、インディペンデント、つまり、無所属議員のサンダースは、カマラ・ハリス陣営がトランプ陣営に大統領選で負けた昨年秋に「さんざん労働者を置き去りにしてきた民主党が、労働者層の有権者から失望されたことに驚きはない」と発言している。

半年のスト中のソーシャルワーカーが参加

実際に、この集会に集まった人々はどう感じているのだろうか?

「実は今、私も個人的に億万長者と闘っている最中だから、ずっと労働者の味方であるバーニーに、改めて共感しているところ」と語るのは、メンタルヘルス専門のソーシャルワーカーとして働くレジーナ・ヘルナンデスさんだ。

彼女は、ロサンゼルス市内の大手病院カイザー・パーマネンテで勤務して4年目の30代だ。この病院がコストカットのために彼女たちソーシャルワーカーの年金制度を廃止したことを受けて、2400人のメンタルヘルスワーカーらが所属する労働組合が昨年10月からストライキに突入し、すでに6カ月が経つ。

ヘルナンデスさんは自身の401kの貯蓄を取り崩し、スト中の生活費に充ててサバイバルしている状態だ。

「うちの病院のCEOの年俸は1400万ドル(約20億円)で、彼自身は7つの年金制度の恩恵を受けるのに、私たち労働者の年金制度を廃止した」と語る。

個々の労働組合の声をすくい上げる点において、サンダースは全米のどの民主党議員よりも行動が早い。

たとえば、ヘルナンデスさんたちがストに突入する前の昨年10月5日、サンダース陣営は「カイザー病院のCEOの報酬は時給にすれば7400ドルだ。患者に対して何の医療行為もしない彼が、これだけの収入を得ている」とSNSで発信している。

ソーシャルワーカーのレジーナ・ヘルナンデスさん(筆者撮影)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事