もう読み終わったの?? 東大生が「200ページの本をたった1〜2時間」で読んで理解できる秘訣

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これは、小説を読むときの感覚に近いかもしれません。皆さんも小説を読むとき、登場人物のフルネームをいちいち覚えようとはしないですよね。

「なんとなく主人公がいて、ヒロインがいて、親友や家族がいて……」というふうに、人物の役割や関係性で把握しているはずです。

そして、半年後にその小説の内容を思い出そうとしたとき、登場人物の名前は忘れていても、「あのとき裏切りがあったから、ああいう展開になったよな」「たしか最後は〇〇と和解して終わったんだっけ」といったストーリーの流れや構造だけは、意外と覚えていたりしますよね。

細かい情報ではなく大枠の理解が大切

『なぜ、東大の入試問題は、「30字」で答えを書かせるのか? 』(サンマーク出版)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

これと同じように、小説以外の本でも、細かい情報を全部覚えようとせず、「要するに何が起こったか」「その結果、どうなったか」という骨組みを押さえることが重要なのです。

こうした、細かい情報ではなく大枠を理解し、大切な部分のみを深掘りする能力を「要約力」と言います。多くの東大生は、この「要約力」が優れているから東大に合格しているのです。

教科書や参考書の要点をすぐに理解し、多くの知識を得て、その理解した内容をテストでも記述することができます。

そしてこれは、国語だけの話ではなく、社会に出てからも、あらゆる情報処理の場面で求められるスキルです。

「フランス革命は何年に発生した出来事ですか?」というのを覚えるのは、ただ知識を覚える行為です。でも、「フランス革命は何年に発生した出来事ですか?」といった問題は東大では出題されません。

「フランス革命とは、どんな出来事だったのか、30文字以内で説明しなさい」のように、それが一体どういうものか、深く理解しているのかについて問う問題が多いのです。

そしてこの問題が解ける人は、フランス革命の歴史的な意義や、それ以降の時代に与えた影響など、より広い視野からフランス革命を考え、探究し、この知識を使って新しい問いを解くことができるようになります。

知識を「覚える」だけではなく、その知識を「使える」に変えるための一歩として、要約力は重要になってくるのです。

極論、今やスマートフォンで調べれば情報なんていくらでも調べることができます。「フランス革命は何年に発生した出来事か?」という知識は、後から調べればいい。もっと言えば、現代は情報にあふれる時代です。

そんな時代だからこそ、全部を覚えようとするより、なにを捨てるかを見極める目が必要です。“たくさん覚えている人”ではなく、“少しの情報で核心をつかむ人”こそが、本当の意味で“頭のいい人”だと言えるのではないでしょうか。

西岡 壱誠 ドラゴン桜2編集担当

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事