もう読み終わったの?? 東大生が「200ページの本をたった1〜2時間」で読んで理解できる秘訣

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例えば、フランス革命についてのこんな記述を読んだとします。

フランス革命は、1789年に勃発した市民による社会変革運動である。
当時のフランスは、国王ルイ16世による絶対王政と、第一身分(聖職者)・第二身分(貴族)・第三身分(平民)という厳しい身分制度に支配されていた。
財政は度重なる戦争と贅沢な宮廷生活によって破綻寸前であり、特に一番身分の低い第三身分に重い税負担がのしかかっていた。
1789年5月、三部会の開催をきっかけに民衆の不満が爆発し、7月14日にはバスティーユ牢獄が襲撃され、革命が勃発。同年には「人権宣言」が採択されて、自由・平等・国民主権といった新たな理念が打ち出された。

さて、みなさんは今、この文章のどこに注目して読みましたか?

「1789年」「バスティーユ牢獄」「人権宣言」など、目立つ固有名詞や数字を一生懸命覚えようとした人も多いかもしれません。でも、実はそれは“読むべきポイント”ではないのです。

東大生はどこに注目して読む?

東大生がこの文章を読むときは、最初はそんな固有名詞は読み飛ばします。それよりも、「なぜ革命が起きたのか」「民衆の怒りの矛先はどこに向かっていたのか」といった、因果関係と構造の理解の部分に意識を向けます。固有名詞を読み飛ばしつつ、因果関係に注目して先ほどの文を読むと、こうなります。

(フランス革命は、)社会変革運動。
(当時のフランスは、)厳しい身分制度に支配されていた。
財政は破綻寸前で、一番身分の低い層に対して負担がのしかかっていた。
(それによって、)民衆の不満が爆発し、革命が勃発。新たな理念が打ち出された。

これだけで、フランス革命というのはどういうものなのか、ざっくりわかりますよね。こんな読み方をしているからこそ、1時間や2時間で本を読むことができてしまうのです。

ここからわかるのは、東大生が優先しているのは「事実の丸暗記」ではなく、「流れの理解」や「背景の把握」だということです。細かい年号や固有名詞は、必要ならばあとから調べればいい。でも、“なぜそれが重要なのか”という大きな意味をつかみ損ねると、記憶はすぐに薄れてしまいます。

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