20周年の「ルルとララ」、人気作家あんびるやすこさん「親が買い渋るものより、親子で買いたくなる児童書を」。シニアにもおすすめの理由
そうしたら、「あんびるさんの場合、子どもたちは『あんびるやすこ』という名前を道しるべにして本を読んできています。
あんびるさんの絵本を読んだ子が、文字を読めるようになったら今度は「ルルとララ」を読んで、それが読めるようになったら次のあんびるさんの作品をたどって大きくなっていくんです。
ですから、一般書へ旅立つ前に読むYAの作品もあんびるやすこという名前でないとダメなんです」と言われました。
ああ、なんて素晴らしい考えなんだろうと思いました。じゃあもう私、あんびるやすことして書こう、きれいなお兄さんが出てくる話を! と思いました(笑)。

「アンティークFUGA」の構想は、ブレーン会社に勤務していたときに考えたものです。当時人気のあったアイドル男子が群で出てくるような30分ものの番組プロットを書いたことがあったんです。売れている子が2、3人レギュラーでいて、これから売り出すジュニアアイドルが週替わりで出てくる内容でした。
YAでは、その感じを物語にしてみたらどうかと考えました。メインの子(主人公)のまわりで週替わりに出てくる役を演じるジュニアアイドルは、まだオーラが足りないから、何かの精霊という形でコスプレさせようと思ったんです。
そうしてできたのが「アンティークFUGA」。これは6巻で完結したのですが、ずいぶん前に出した本なのに、いまだに重版がかかる作品です。この世界観が子どもにとって安心するのかもしれませんね。
シニア世代にも読んでほしい
児童書は、実は子どもだけでなく大人にもおすすめなんですよ。私の作品に限らず、励ましを与えるタイプの児童書ってすごく多いんです。落ち込んでいるときに読むと、気持ちが再生できることもあります。
子どものときには気がつかなかったメッセージに気づくこともありますし、大人が初めて読んでも、私が子どもたちに与えたいと思っている「安心できる行きつけの場」のような雰囲気というのは味わってもらえると思っています。
シニアになって老眼が進んでも、文字が大きいから読みやすいですし、登場人物の数も限られているのでわかりやすいです。
80歳を過ぎてミステリーを読むのがしんどくなっても、本は読めるんですよ。途中で読書を諦めちゃうなんてもったいない。私もシニアなんですが、そんなシニアの方にもぜひ児童書を読んでみてほしいと思っています。
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