20周年の「ルルとララ」、人気作家あんびるやすこさん「親が買い渋るものより、親子で買いたくなる児童書を」。シニアにもおすすめの理由
次に書いた「ルルとララ」シリーズは、お菓子がテーマの物語です。登場するレシピは、何週間もかけて実際に料理しながら作ります。子どもが作っても失敗しないようなレシピを考えているんです。
レシピができあがったら、岩崎書店の皆さんにも作ってもらうんですよ。料理が苦手な担当編集の島岡さんが成功したら、レシピ完成としています(笑)。
たまにサイン会に作ったものを持ってきてくれる子もいます。本を読む楽しさだけじゃなくて、生活体験としての豊かさも伝えることができたんだなと思うと嬉しいです。
「ルルとララ」は幼年童話で、絵本から次のステップにあがるときに読む本です。子どもは最初から一人読みはできないので、字の多い本が読めるまでの滑走路を、親御さんが一緒に走って読み聞かせしてほしいなと思っています。
あるお母さんから聞いた話なのですが、毎晩読み聞かせをしていたものの「じゃあ今日はここまでね」と途中でやめたことがあったそうです。それを1週間ぐらい繰り返していたら、ある晩、寝たはずの子どもの部屋にあかりがついていて、戻ってみると、物語のその先が知りたくて自分だけで続きを読んでいたことがあったそうです。
自分で読みたい、読書が楽しいと思えるようなチャンスをその子に提供できるかどうか。私たち作家側や出版社側にも努力が求められる部分だと思っています。
きれいなお兄さんが出てくるYAも描きたい!
YA(ヤングアダルト)という小学校6年生ぐらいから中学生・高校生ぐらいまでが読む物語として「アンティークFUGA」というシリーズ作品も書きました。
当時編集長だった岩崎書店の津久井さんから、「今度YAレーベルを立ち上げるのですが、あんびるさん書いてみませんか」とお誘いいただいたのがきっかけです。
そう言われたとき、それなら今までと全然違う作品を書きたいと思いました。ペンネームも変えて、もうちょっと踏み込んだ感じのBL系の作品を書いてみたいなと。
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