韓国「アジアのベスト50レストラン授賞式」主催で見せた"圧倒的"存在感のワケ。Netflix「白と黒のスプーン」ヒットに乗せた食の戦略的展開
アジアにおける日本のレストランの存在感は今回も揺るぎなかった。今回授賞式に参列したが、日本のレストランが上位にアナウンスされるたびに、ゲストのどよめきが起きていた。
軒数は昨年より2軒増え、ランクインしているレストランの料理ジャンルもフレンチ、日本料理、鮨、中国料理、イノベーティブ(ジャンルにとらわれず自由な発想で生み出された料理)と多岐にわたる。
2024年には、アジア1・2位を日本のレストランが占めるという快挙もあった。2013年当初からランクインする軒数もほぼ変わらず、日本のレストランの魅力はアジア内にすでに十分浸透しているといえるだろう。

2025年の授賞式は、前年に引き続き韓国・ソウルで開催された。
この賞は、もともと「世界のベストレストラン50」というランキングの地域版として2013年から始まった。
授賞式にはアジア中のスターシェフや料理関係者が1000人近く集まる。海外から自国に注目が集まる貴重な機会であるこのイベントを、今年のホスト国である韓国は誰に向けて、どのような意図をもって開催したのだろうか。
「白と黒のスプーン」ヒットに沸く韓国での授賞式
今回の韓国での授賞式は、韓国の農業食糧農村省(=MAFRA、日本では農水省に相当する)とソウル特別市、それと韓国食品振興院(=KFPI、韓国料理を国内外にPRするための非営利団体)が共同で主催していた。
今の韓国では、2024年に配信されたNetflix『白と黒のスプーン〜料理階級戦争〜』のヒットの余熱がまだ冷めやらぬ状態にある。
100人の実在のシェフが「白スプーン」と「黒スプーン」に分けられ、多額の賞金をかけて熾烈(しれつ)な料理バトルを繰り広げるというリアリティーショーは、公開から3週連続でNetflixグローバルTOP10のTV(非英語)部門において1位を記録した。

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