「再婚なら事実婚OK、初婚なら籍を入れる」の真意とは?シニア婚活男性が見せたお相手への"深すぎる配慮"――多様化する結婚相談所のリアル

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あれほど順調だったはずの関係に、何が起こったのか。筆者は驚き、すぐにかずやの担当仲人に連絡を入れた。すると、仲人はこう話してくれた。

「かずえさんから『結婚後はそれぞれの部屋を持ち、寝るときは別々に』という提案があったそうです。確かに、人によっては隣に誰かがいると熟睡できない方もいますし、実際に寝室を分けているご夫婦もいらっしゃいます。ただ、それだけではなくて……」

一瞬言葉を詰まらせた後、仲人は続けた。

男女の関係を一切持ちたくない

「『男女の関係は一切持ちたくない』と、はっきりおっしゃられたそうです。もちろん、当会員も55歳という年齢ですから、その点において無理をしたいというわけではありません。ただ、“ゼロ”というのは、男性として受け入れがたかったようで……」

筆者はすぐにかずえに連絡を取り、状況を伝えた。しかし、意外にもかずえは淡々とした様子だった。

「そうですか。やっぱりお断りされたんですね。でも、私は男女の関係を持ちたくないんです。30代後半に付き合って41歳で別れた相手とは、そのときはそういう関係もありました。でも、今は性欲もありませんし、もう男性とそういうことをするという発想自体がないんです」

女性は、閉経を迎える50歳前後を境に、性欲が減退する人が多くなるようだ。そうなると、性交渉そのものが精神的にも身体的にも負担に感じられるようになる。

一方で、男性は年齢を重ねるにつれて性欲が徐々に落ち着いてはくるものの、持ち続けている。たとえ行為自体が難しくなっても、触れ合いそのものを求める気持ちは残りやすい。

結婚後の夫婦関係が、単なる「茶飲み友達」のようなものだと、それを物足りなく感じる男性が多いのも現実だ。

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入籍を伴う“入籍婚”、籍を入れずに暮らす“事実婚”、週末だけ共に過ごす“別居婚”、さらには身体的な関係を持たない“友情婚”など、現代における結婚のスタイルは、実に多様化してきている。

互いに納得し認め合えているのであれば、従来の入籍婚という枠にとらわれず、それぞれのスタイルを選択するのも、1つの『結婚のカタチ』と呼べる時代になったのかもしれない。

いずれにせよ、結婚相談所においては、自分がどんな結婚のスタイルを望んでいるのかをPR文章などに記載しておくべきだろう。そうでないと、対峙した相手の時間を無駄にすることにつながる。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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