「再婚なら事実婚OK、初婚なら籍を入れる」の真意とは?シニア婚活男性が見せたお相手への"深すぎる配慮"――多様化する結婚相談所のリアル

✎ 1〜 ✎ 212 ✎ 213 ✎ 214 ✎ 215
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「その場合は、パートナーに自分の遺族年金や財産をしっかり残してあげたいという気持ちもがあるので、籍を入れることを考えます。ただ、この年齢になると、健康保険や銀行口座、土地の登記など、さまざまな手続きで名義変更が必要になりますよね。それが正直、少し面倒ではありますが……」

ともあれ、パートナーが初婚者でも再婚者でも、晩年を1人で過ごすのは寂しいので、寄り添って暮らしたい。それが彼の率直な思いのようだ。そして、今も意欲的にお見合いを続けている。

入籍しても別居婚を希望

たかお(51歳・仮名)は現在、みきえ(48歳・仮名)と仮交際中だ。たかおは都内にローン返済済の分譲マンションを所有していた。対して、みきえは資産家の家庭に育ち、親に購入してもらった都心のタワーマンションに暮らしていた。

3回目のデートのときに、結婚後の生活についての話題が出た。みきえはこう言った。

「私、結婚するなら“自分の家”を持っている男性が理想なんです。籍は入れたいけど、別居婚を希望しています。もう子どもを持てる年齢でもないし、平日はお互いの仕事に集中してそれぞれの住まいで暮らし、週末だけ一緒に過ごすような別居婚が理想なんです」

たかおは、婚活を始めた当初は「子どもがほしい」という気持ちが強かった。しかし、お見合いを重ねていくなかで、「無理に若い世代の女性とジェネレーションギャップを感じながら過ごすよりも、価値観の合う同世代と穏やかに暮らしたい」と、次第に考えが変わっていった。

そんななかで、みきえについてはこう評価していた。

「明るくて、自立していて、発言も前向き。とてもハツラツとした人で、パートナーにしたら楽しく生活できそうです」

ただ、“別居婚”を提案されたことで、戸惑いが出てきた。たかおにとっての“結婚”は、“夫婦が一つ屋根の下で共に暮らす”というイメージだったからだ。たかおは、筆者に言った。

「別居婚という形にはどうしても抵抗があります。でも、子どもを持たないという選択なら、別居婚もアリなんですかね」

悩みながらも交際を続けていたたかおだったが、みきえから「真剣交際に進みませんか」と打診を受けたときに出した答えは、「やっぱり別居婚は、受け入れられない」だった。そこで「交際終了」を出した。

かずえ(53歳・仮名)は、かずや(55歳・仮名)と5回のデートを経て、真剣交際に入った。ところが、真剣交際に入って初めてのデートを終えた直後に、かずやの相談室から突然“交際終了”の連絡が入った。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事