「スシローが新型店を出したらしい…え、寿司じゃなくて天ぷら定食!?」 スシロー「次の一手は天ぷら」なぜ注目されるのか

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注目すべきは「生アジ」。「生」たるゆえんは、店舗に届くまで冷凍を一切していないから。そんな新鮮なアジを天ぷらにする。確かに、食感はふわっとしていて、回転寿司を扱うF&LCならではの食材調達が生かされている。

また、「エビ」もウリの一つでエクアドル産のバナメイ海老を使用。味がよく、養殖もしやすいことから使われることが決まったという。

こうした回転寿司チェーンならではの商品以外でも、面白いメニューがある。半熟卵の天ぷらはご飯に載せて天つゆをかければ、卵かけご飯としても楽しめる仕様になっているのだ。

あおぞら 天ぷら
このように食べていく。味は完全に卵かけご飯でおいしい(筆者撮影)

肝心の天ぷらのお味は、というと、全体として揚げ物特有の「脂っこさ」は少なく、さっと食べやすいのが印象的だった。一般的に高齢者の方が天ぷらを好む傾向にあるが、そうした人々も食べやすい味が目指されているのだろう。

回転寿司一本足打法からの脱却をめざす

そもそも、スシローが天ぷら業態に乗り出すのはなぜか。

一つには、回転寿司業界が置かれている状況の厳しさがある。「国内市場の飽和」と「水産資源の高騰」だ。

日本ソフト販売が発表する、すしチェーンの店舗数ランキングによれば、業界全体の店舗数は4164店舗(2024年7月)。その1年前は4201店舗だったので、わずかに減少している。実は2年連続でその数は減少していて、国内店舗数の天井が見えてきた形だ。それは、国内の回転寿司チェーンが海外出店に積極的であることからもわかる。

例えば、くら寿司の2024年10月期決算資料によれば、日本での新規出店は9店舗に対し、アメリカ・アジアを合わせた海外出店は19店舗(アメリカ14、アジア5)。スシローはより顕著で、F&LCの2024年9月期決算資料では、国内の新規出店数は5店舗に対し、海外では42店舗も増加している。

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