西武・プリンスホテルズワールドワイド 金田佳季社長「海外ではM&Aも視野、戦略的にラグジュアリーに特化すれば勝負できる」 

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西武・プリンスホテルズワールドワイド 社長 金田佳季氏
金田佳季(かねだ・よしき)/西武・プリンスホテルズワールドワイド社長。1961年生まれ。1985年東急ホテルズ・インターナショナル入社。2010年西武ホールディングス入社、2023年から現職(撮影:梅谷秀司)
インバウンド(訪日外国人観光客)の急増を受け、外資系ホテルの進出ラッシュが始まった。規模で勝る外国勢に日本勢が対抗するすべはあるだろうか。『週刊東洋経済』4月26日・5月3日合併号の特集は「ホテル高級化大戦」。隆盛を極めるラグジュアリーホテルの最前線に迫った。
『週刊東洋経済 2025年4/26・5/3合併号(ホテル 高級化大戦)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

──2022年にザ・プリンス パークタワー東京などを売却し、運営受託を強化しています。

所有直営は(自社でホテル建築などを行うため)資金が必要で、ネットワーク拡大が限定的になる。一方でMCはフィービジネスだからネットワーク拡大が容易だ。

これまでは顧客から選ばれるホテルにすることが重要だった。この視点は今でも大切だが、オーナーに選ばれるホテルにしなければならない。GOP(減価償却費や法人税を除いた利益)やADR(平均客室単価)を上げるという姿勢がこれまでより鮮明になっている。オーナーが所有する不動産の資産価値を上げるために、キャッシュ創出力を高める運営をしていく。

大切なのは量より質

──中計期間(2024〜2026年度)中に20軒の新規開業・契約、2035年度までに250軒(2024年12月末86軒)を目指しています。

問い合わせは多くなっている。契約段階にこぎ着けている案件もあり、達成は可能だと考えている。

長期計画で日本をオリジンとしたグローバルホテルチェーンを目指しており、2035年度には国内100、海外150を展開したい。国内はすでに60軒あるため、無理な数字ではない。海外はM&A(合併・買収)を視野に入れている。

──具体的にどのようなM&Aを検討しているのでしょうか。

具体的な話はない。新しいブランドを買うことや、自社が弱い地域のホテルを買収するエリア補完型、自社のブランドにリブランドする買収などがある。

海外は2035年度までに150軒を掲げているが、大切なのは量より質。プリンスホテルのブランド価値を上げるためのM&Aをする。ミッドスケールブランドを買収して数を追うことはしない。

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