〈インタビュー〉西武・プリンスホテルズワールドワイド金田社長が語る「エースホテル買収の意図」と「次なるM&Aの方向性」
――昨年5月に発表した長期戦略で、国内外に現在86あるホテル数を2035年度には250にまで増やすという目標を掲げました。今回のエースホテル買収は、この目標達成に向けたものだと理解してよいでしょうか。
そのとおりだ。西武グループは2035年度に向けて、ホテル・レジャー事業を「日本をオリジン(起源)としたグローバルチェーン」へ成長させる方針を打ち出した。
目標とするホテル数の内訳は国内100(現在60)で海外150(同26)。このアグレッシブな数を達成するには、オーガニックグロース(自力成長)だけでは難しい。魅力的なM&A案件があれば積極的に検討している中で、エースホテルという素晴らしい案件に巡り合った。
エースはライフスタイルホテルの先駆者
――数あるホテルブランドの中から、エースホテルを選んだ理由は?
エースホテルは、ライフスタイルホテルという新たなブランドを確立した先駆者的な存在だ。創業者の1人が亡くなった後に、エースホテルを牽引してきたブラッド・ウィルソンAGI会長は、ライフスタイルホテルの代名詞である「Wホテル」(現在はマリオット・インターナショナル傘下)の第1号店の立ち上げにも関わっている。
現在、ライフスタイルホテルの多くのブランドが大手ホテルオペレーター(ホテルの運営を受託する会社)に買収された。そんな中、エースはオリジナリティーを保ち、独自のDNAやカルチャーを持っている。
画一的なホテルと違って、ライフスタイルホテルは、その場所のよさを生かしカスタマイズしていくクリエイティブ性が求められる。エースホテルは、その土地の文化を深くリサーチし、テーラーメイドでホテルを創り上げるスタイルで、西武グループが目指す「地域共生」のビジョンと共通している。この価値観の共有が買収を成功させた大きな要因だった。



















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