西武・プリンスホテルズワールドワイド 金田佳季社長「海外ではM&Aも視野、戦略的にラグジュアリーに特化すれば勝負できる」


──2022年にザ・プリンス パークタワー東京などを売却し、運営受託を強化しています。
所有直営は(自社でホテル建築などを行うため)資金が必要で、ネットワーク拡大が限定的になる。一方でMCはフィービジネスだからネットワーク拡大が容易だ。
これまでは顧客から選ばれるホテルにすることが重要だった。この視点は今でも大切だが、オーナーに選ばれるホテルにしなければならない。GOP(減価償却費や法人税を除いた利益)やADR(平均客室単価)を上げるという姿勢がこれまでより鮮明になっている。オーナーが所有する不動産の資産価値を上げるために、キャッシュ創出力を高める運営をしていく。
大切なのは量より質
──中計期間(2024〜2026年度)中に20軒の新規開業・契約、2035年度までに250軒(2024年12月末86軒)を目指しています。
問い合わせは多くなっている。契約段階にこぎ着けている案件もあり、達成は可能だと考えている。
長期計画で日本をオリジンとしたグローバルホテルチェーンを目指しており、2035年度には国内100、海外150を展開したい。国内はすでに60軒あるため、無理な数字ではない。海外はM&A(合併・買収)を視野に入れている。
──具体的にどのようなM&Aを検討しているのでしょうか。
具体的な話はない。新しいブランドを買うことや、自社が弱い地域のホテルを買収するエリア補完型、自社のブランドにリブランドする買収などがある。
海外は2035年度までに150軒を掲げているが、大切なのは量より質。プリンスホテルのブランド価値を上げるためのM&Aをする。ミッドスケールブランドを買収して数を追うことはしない。
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