「モノがいっぱいなのに散らかって見えない」築60年の一軒家で“素敵な1人暮らし”をする92歳が《断捨離しない》深い理由

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三重子さんの心の内はこうである。

〈収納に限りがあるマンション住まいだったら、私だって考える。でもうちは古いながらも一軒家。収納場所なんかいくらでもあるし、お気に入りのものを好きなように飾るスペースもある。好きなものに囲まれているから幸せだし、大事にしたいものがいっぱいあるから1人暮らしの寂しさもない

北国の暮らし
2階は、趣味のカメラで撮りためた写真が展示されたギャラリーになっている(画像:書籍『北国の暮らし 今を豊かに生きる家しごと庭しごと』より)

散らかって見えない「片付けの秘訣」

そんな思いを訴えるが、娘たちにはしょっちゅう、「お母さん、なんとかしてよね」「大事なものだけ残して、あとは処分して」と言われている。特に三女は介護士という仕事柄、親が残した大量のものや家具の後片づけに苦労している子世代をたくさん見てきている。

「だから、元気なうちにちゃんと整理してね、と帰ってくるたびに言われています。私もそんなに先は長くないのだから、私の思いだけで古いものを残したまま死んだら、娘たちに迷惑がかかる。そういうことを考えなくちゃいけない時期に来ているなって、頭ではわかっているんです」

しかし、いざ整理しようと決心すると、もう1人の自分が「いやいや、もうちょっと待って」とブレーキをかける。たとえばアルバム。これだけは残したいという写真をアルバムから剥がして1冊にまとめるというプランはあるけれど、実行できていない。

北国の暮らし
ものは多いが、綺麗に整理整頓されている三重子さんの自宅リビング(画像:YouTube「Kuro - 北国の暮らし」より)
北国の暮らし
リメイクで使う刺しゅう糸は、捨てずにとっておいた残り糸だ(画像:YouTube「Kuro - 北国の暮らし」より)
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