24歳のとき、故郷を遠く離れて北海道に嫁いできて60余年。長い年月の中で年の離れた兄3人が亡くなり、すぐ下の妹もすい臓がんでこの世を去った。その後、90代まで生きた姉2人も相次いで見送ったという。
「去年は末っ子が亡くなってね。7人姉妹がこの数年でバタバタといなくなって、今は私と妹2人の3人だけになりました。妹たちは認知症。ひどくはないけれど、1人はだいぶ前に施設に入居していますね」
子どもの頃は三重子さんが一番体が弱くてやせっぽち、しょっちゅうお腹をこわしていたとか。「その私が一番元気で長生きしているんだからね」と、くすっと笑う。
中学校時代から書く日記は100冊以上
そんな三重子さんには毎日大切にしている時間がある。それは故郷の母や、かつての学友から届いた古い手紙や、中学校時代から書きためている日記を読み返す時間。三重子さんの至福のひとときだ。
年代別にナンバリングした日記は本棚1台分、100冊以上はあり、手紙もきちんと仕分けして保管している。

「手紙も日記も内容はほとんど忘れています(笑)。実家が遠かったので里帰りはめったにできず、母からたくさん手紙をもらいました。読み返すとこんな時代があったんだって、忘れていた記憶があざやかによみがえります。手紙の力はすごいですね」
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