「サンエックスの入社式が素晴らしすぎる」SNSに投稿された新入社員の写真を見ると…顔が《すみっコぐらし》で隠されてる!→“大称賛のワケ”
また、入社式のプレスリリースを見ると、新入社員だけでなく先輩と思しき女性社員の顔にもボカシがかけられていた。

この春の時期には、例年通り、新入社員の紹介や、入社式の様子をSNSでアップする企業が相次いだ。投稿を見てみると、やはり社員の顔を出す企業も少なくなかった。
最近では、企業がインスタグラムやTikTokなどのSNSアカウントを開設し、社員を顔出しで登場させることもよくみられる。
サンエックスの取り組みについて、Xでは「ディープフェイクでいくらでも顔写真を悪用できるご時世に女性の新入社員もたくさんいるサンエックスがぬいぐるみで顔を隠させてあげるの本当に配慮が行き届いていて好感持てる」という意見もあった。
「顔写真とネット・SNSのトラブル」をめぐっては、卒業アルバムやネットの顔写真が、AIによるディープフェイクポルノ(本物と酷似したわいせつな動画・画像)に使われるケースもあり、鳥取県ではAIなどを用いた「性的ディープフェイク」を禁じる青少年健全育成条例の改正案も先月可決された。
また、業務命令で撮影・公開された「顔写真」について、退職後に削除を求めたい人もいる。
弁護士の指摘「同意ない顔出しは『肖像権』侵害にも」
企業が従業員にネットやSNSに「顔出し」させるにあたり、どんなことに気をつけるべきだろうか。インターネットのトラブルにくわしい清水陽平弁護士は「企業との関係性で断りにくい従業員もいる」と指摘する。
「人には『肖像権』という人格権があるとされ、肖像権侵害になるかどうかは受忍限度を超える侵害があるといえるかどうかにより判断されることになります。本人の同意なく顔出しさせてしまえば、肖像権を侵害していると判断される可能性があります。
一方で、顔出しに同意を得ていれば、侵害とは判断されにくいことになりますが、企業と従業員という立場の関係で、特に新入社員であれば、指示を拒否できないケースも多いのではないかと思われます」
企業としては、このようなことに配慮することはもちろん、事前に同意をとることも重要だという。
「たとえば書面で同意を得る場合は、同意欄に『拒否可能である』ことを明示するなどして、きちんと任意性を保つような形式を整えておくことが重要といえます。
また、退職後に削除したいといった希望を受ける可能性もあります。同意の際に退職後のことまで考えていない従業員もいると思われますので、退職後も表示し続けることに同意するかということも確認しておくべきです」