世界一売れたゲームの映画、普段避けられがちな「タレント吹き替え版」がおすすめな理由
映画版では、現実の人間が登場する「異世界転送ファンタジー」になっている。主人公であるギャレット(ジェイソン・モモア)やヘンリー(セバスチャン・ハンセン)たちが不思議なゲートに入ってしまい、すべてがブロックでできた「オーバーワールド」にたどり着くといったあらすじだ。
ゲームを遊んだ人はこう思うかもしれない。「ストーリーと呼べるものがほぼないゲームなのに、どうやって映画にするのか?」と。

さて、どのようにしてストーリーがないゲームを映画にしたか。まず、スティーブ(ジャック・ブラック)が急に歌いだして観客の笑いを誘ったり、ナタリー(エマ・マイヤーズ)が激しいアクションで敵をなぎ倒したりと、いかにも映画らしい要素でなんとか場をつなげようとしている。
そして、ゲーム原作映画らしく、『マインクラフト』ならではの要素も作中にいろいろと差し込んでいる。たとえば高いところから落ちるにしても「水バケツ」があれば無傷で着地できたり、あるいはロケット花火で空を飛んだりと、ゲームを遊んだ人ならピンと来る要素がちりばめられているわけだ。
このように盛り上がる要素があるにはあるのだが、字幕版を見た筆者は正直なところあまりおもしろくはなかった。決してつまらないわけではなく、料理に塩が足りないように、おもしろさが足りないのである。
映画の欠点となるのが「共通認識の欠如」

やはり『マインクラフト』にはもともとストーリーがないので、映画を見続けるための動機が薄いのだ。ストーリーは起伏が作れていないうえ予定調和になるのがわかりきっているし、1時間40分もあるのでショート動画のようにふざけた要素だけで構成することも不可能となる。はっきりいって、ポップコーンとホットドッグ、そしてコーラが欲しくなる映画である。
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