「バクマン。」に見る、ジャンプ編集部のリアル 副編集長、相田聡一氏に聞く

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(C)2015映画「バクマン。」製作委員会

――映画では、マンガ家さんと編集者の二人三脚が印象的でしたが、そのあたりは共感できるのではないしょうか?

僕の感覚だと、アンケートの結果はマンガが採点されているのではなくて、僕らの日々の仕事が採点されているんだと思っています。マンガ家さんは100%頑張っていますし、つまらないものを描こうという人はいませんから。そんな作家さんの描きたいもの、大切にしたいものを読者に受け入れてもらうためにどうしたらいいのか、考えることが僕らの仕事ですから。

マンガ編集部の仕事ものとしてもよくできている

社会人の視点から見ても感情移入しやすいのでは」と「バクマン。」の初代担当編集者を務めた相田氏(撮影:梅谷秀司)

――それがまさに編集者の醍醐味というわけですね。

少年ジャンプではそうですね。僕らの仕事ぶりはすごくわかりやすくアンケート結果という形で出てくるんです。

――最後に、編集者としての目線から見た本作のオススメポイントを教えてください。

もちろんマンガ家さんの話がメーンなのですが、マンガ編集部のお仕事ものとしてもすごくよく出来ています。マンガ家さんという仕事は厳しさもありますけど、夢を追いかけている、すごく魅力あるものです。でも、編集者というのは、そことは違うスタッフで、地道に夢のお手伝いをさせていただく存在です。そういったマンガ編集の仕事というものに対するリアリティがすごい映画なので、社会人の視点から見ても感情移入しやすいのではと思っています。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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