「日本人は起業家精神に欠けている」というのはウソだとアメリカ人の知日派ジャーナリストが確信しているワケ
1999年の実験では、参加者に4本の青いペンと1本の赤いペンが入った箱が渡された。アメリカ人は70%が赤いペンを選んだが、日本人で赤いペンを選んだのは53%だけだった。
日本人のなかでも半数を若干上回る人が1本しかないペンを選んだのは、注目に値する。山岸は、日本人の動機になっているのは同調志向ではなく、どう思われるかを気にする意識と社交性だと考えた。
のちに、山岸は別の参加者で新たに実験をした。その際、参加者に、ペンを選ぶのはあなたが最後だと告げた。ほかの人がどれを選びたいかを気にするという要因がなくなると、1本しかないペンを選ぶ日本人の数はアメリカ人と同じ水準にまで増えた。
商店で赤いペンが1本と青いペンが4本あった場合、つまり誰かが気を悪くするかもしれないという問題がない状況だったらどうするかと聞かれると、アメリカ人を若干上回る数の日本人が「絶対に」1本しかないペンを選ぶと答えた。
「減点主義」採用でリスク回避傾向が強まった
一方で、管理職への道を進んでいる社員にリスクを回避する傾向があることはたしかだろう。この傾向は、1970年代に大手銀行で始まり多くの企業に広まっていった「減点主義」の昇進基準を多分に反映したものだ。
何十年も続く大企業が、非生産的な昇進基準を通じて浸透させてきた慣行を変えるのは不可能ではないが、多くの場合、大きなショックを伴う。最も有名な改革の事例の2件は、企業がどん底に陥り外国企業の傘下に入ったときに見られた。日産とシャープだ。特筆すべきは、いずれの企業でも、改革には外国企業の介入があったという事実だ。
日産は、1999年にルノーと提携する前、8年のうち7年、純損失を計上していた。日産の株式の37%を取得していたルノーは、カルロス・ゴーンを送り込んだ。ゴーンはCEOに就任し、わずか数年で収益性が記録的に伸びた。
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