「日本人は起業家精神に欠けている」というのはウソだとアメリカ人の知日派ジャーナリストが確信しているワケ

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(写真:bee/PIXTA)
日本にテスラやOpenAIなどの世界を変えるようなベンチャー企業が誕生しないのは、日本人の生まれつきの性格や気質に起因するものだと指摘する声は少なくない。が、『「失われた30年」に誰がした:日本経済の分岐点』を上梓したジャーナリストのリチャード・カッツ氏は「日本人の同調主義は神話だ」と指摘する。どういうことか。

日本人は心配性というより心配事が多い

「日本人はリスクを嫌い同調を好むので起業家精神に欠ける」とよく言われるが、はたして本当だろうか? そうした事実を示しているとして、広く引用される研究がいくつかある。

例をあげると、グローバル・アントレプレナーシップ・モニターの報告書は、起業家的な態度を表すあらゆる要素において日本は最下位かそれに近いところに位置する、と繰り返し示してきた。

たとえば、機会の認識(49カ国中49位)、起業家としての能力に対する認識(49カ国中49位)、失敗に対する不安(不安の高い順で49カ国中9位)、起業家はよいキャリア選択だとする見方(49カ国中46位)といった点だ。

データが示唆するところをさらに詳細に検討すると、日本人は生まれつき心配性なのではなく、心配事が多いという現状があることがわかる。ある調査では、日本の男性の37%が、誰かに雇われて働くより新しい会社を始めるリスクをとろうと思うと答えているが、これは、平均の数値の80%程度の割合である。しかし、それが可能だと考える人は20%だ。平均的な割合の半分しかない(OECD 2020)。

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