ラーメン店の原価率の平均は30~35%程度といわれており、これでも一般的な飲食店の平均である25~30%に比べると少し高い傾向にある。
その中で、「平太周」の原価率は45%に達してしまっているというのだ。

一昨年、2023年初夏に背脂の歴史的高騰のニュースが流れ、当連載でも背脂を使ったラーメン店を取材した。
新型コロナウイルスやロシア・ウクライナ間の戦争、原油価格の高騰などで、輸入豚の供給量が減少し、さらにコロナ禍で働き手が減り、背脂のさばき手がいなくなったことが大きな原因だ。
供給量が低下している中、背脂は「大量に注文すると迷惑がられる商品」になり、代替品もないので、価格高騰と戦い続けるしかなかった。
その後、報道は見なくなっていたが、状況は変わっていなかった。JA全農ミートフーズによれば、かつては1キロ80円ほどだった豚脂が、2022年の4月には190円にまで上昇。現在は155円ほどになっているが、完全に高止まりしてしまっている状態だ。また、背脂の質にこだわっている店ではさらに高くなる。
「コロナ禍での背脂不足のタイミングがターニングポイントになり、うちの仕入れている背脂の価格は以前の4倍にまで達しています。その他、小麦や肉類もどんどん値上がりしていますので、とても耐えきれない状況です」(「平太周」呉代表)
客単価問題の解決策「爆爆盛焼油脂麺」
相次ぐ値上がりに合わせて、値上げも都度行ってきた。「らーめん」は900円、「爆盛油脂麺」は1100円まで値上げを行ったが、それでも現在原価率は45%だというのである。
爆盛油脂麺は油そばなのでスープがない分、原価率は抑えられそうだが、それ以上に背脂の高騰が響いているのである。

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