過熱化するお受験、「結局すべきなのか?」の答えーー親がまず《考えなくてはならないこと》

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

受験戦争は、勝ち負けがあります。

そしてその勝ち負けのゴールは、最終的には「大学の学歴」ということに置かれているのが基本です。多くの親や受験指導者が掲げている目的の行き着くところは、「学歴の高い学校に入れること」に置かれています。

いい大学に入れれば勝ち、入れなければ負けです。

ですので、そもそもいい大学に入れたいかどうか、というのが、夫婦で話し合うべきスタート地点なのです。

将来の選択肢が学歴によって狭まってしまう

言うまでもないことですが、世の中には学歴が関係ない仕事もたくさんあります。そこで活躍する人生が悪いわけがありません。

一方で、学歴が高くないとできない仕事もたくさんあります。医者や弁護士はその代表例だと思いますが、大手メーカー、総合商社、銀行などは、ある程度の学歴がないと入ることができません。

テレビ局や出版社などのマスコミ大手はもちろんのこと、最近では吉本興業のようなお笑いの会社のマネージャーも高学歴になってきているそうです。

これら、入るときには学歴が必要な会社でも、入ってみるとまったく関係がない、という会社もたくさんあります。

事実、私が新卒で入ったコンサルティング会社も、学生人気が高い会社でしたので、学歴はある程度見られていましたが、入ったあとは学歴派閥などもなく、実力主義でした。また、学歴バリバリの大手企業のサラリーマンよりも、学歴がまったく関係ない中小企業の経営者の方がはるかに稼いでいることが多いのも知っているので、学歴が何よりも大事、とまでは思わないのですが、学歴があるのとないのとでは、職業の選択肢の幅が大きく異なるというのは、まぎれもない事実です。

これは、大手企業の採用マーケットが関係しています。

人気企業になればなるほど応募が殺到します。すると、その応募者すべてと面接をし、吟味することはできません。また、面接で判断できることも限られています。

結果として多くの場合、大学のランクによって足切りをしてしまう、ということが起きます。これは、受験戦争を勝ち抜いてきた人のほうが地頭が良く、素直に吸収して成長してきている人が多いためです。つまり、学歴がないと面接にすら至らないのです。

もちろん、新卒採用のマーケットにハマらない場合もあります。アルバイトや派遣から始めてそこから大手企業のトップまで登り詰めた人もいますし、学歴がなくとも本当の能力や実力があれば、いくらでも生きていく道はあります。

しかしそれでも、将来の選択肢が学歴によって狭まってしまうということは事実です。

つまり、多くの親は、「子どもの選択肢を狭めたくない」という想いから受験戦争に踏み出しているわけです。

これを、必要と思うかどうか。

大手企業、人気企業に入ることだけが幸せではありません。子どもの選択肢をどう用意してあげられるか。ここがまず最初に向き合うべき問いです。

次ページ受験はしたほうがいいの? しないほうがいいの?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事