フォルクスワーゲン、排ガス不正の波紋 苦戦する日本市場への影響は?
8月時点で、VGJは新型パサートのディーゼルモデルを「年内発売の予定」としていたが、本国の問題から年明けにずれ込む可能性も出てきた。足元の影響のみならず、「これでVWという企業が弱体化し、今後の商品力が低下するようだと、そちらのほうがもっと問題だ」、といった販社の声も聞こえてくる。
一方、勢いに乗るメルセデス・ベンツ日本(MBJ)は、「Cクラス」にディーゼル車を追加し、9月28日に注文受け付けを開始した。MBJがクリーンディーゼル車を発売したのは、2006年からで、これが10車種目。今回は従来と意味合いが異なる。Cクラスは年間約1.6万台を販売する最量販モデルだからだ。上野金太郎社長も販売に占めるディーゼルの割合を「10%程度(2014年は4~5%)にする」と力を込める。
16年ぶりシェア逆転の行方
日本でディーゼル車はマツダが牽引役となって上り調子。今年上半期の販売は8万台と、2014年の年間販売台数をすでに上回っている。だが、VW問題が水を差した。そうしたこともあり、9月28日の発表会で上野社長は、「ダイムラーのエンジンの技術ソフトウエアはルールに従って開発されている」と、あらためて強調する場面も見られた。
メルセデス・ベンツだけで見れば、Cクラスでのディーゼル搭載は、以前から顧客の要望が多かったという。量販モデルの投入だけに、全体の販売台数への貢献も期待される。8月までの累計でも、VWに3000台以上の差をつけて、首位を保持。ライバルに逆風が吹く中、16年ぶりのシェア逆転は、すでに勝負ありなのかもしれない。
(「週刊東洋経済」2015年10月3日号<10月5日発売>「核心リポート01-3」を転載)
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