フォルクスワーゲン新経営体制の前途多難 <動画>透明性を高めるチャンスを逸した
大荒れの年を経て、世界最大の自動車メーカーの実権を巡る問題が解決された。
13年間CFOを務めたハンス・ディーター・ペッチュ氏は9月3日、次のフォルクスワーゲン監査役会会長に就任することが内定した。
マルティン・ヴィンターコーンCEOとの壮絶な権力闘争の後、ポルシェ家のフェルディナント・ピエヒ前会長が劇的な退任をしたことを受けての人事措置だ。
IGのマーケットアナリストであるアラステア・マケイグ氏は監査役会を多様にする好機を逃したことになる、と述べた。
「新しいアイデアと斬新な見通しを経営陣にもたらす人材を外から選ぶのではなく、組織内での昇格にしてしまいました」
この人事が明らかになったのは、監査役会がヴィンターコーン氏のCEOとしての任期を3年延長する提案をした次の日のことであった。「今回の人事は監査役会にほんのわずかな透明性を与え、投資家にはほんのわずかな信頼を与えたに過ぎません」(マケイグ氏)。
従業員数はトヨタの約2倍
フォルクスワーゲンは1月から6月までの自動車出荷台数でトヨタを追い越して世界一になっている。しかし効率性において日本の自動車会社より劣ったものであった。従業員はトヨタの34万人強と比較して2倍近い約60万人にもなる。
フォルクスワーゲンは利益向上のため、徹底的な経営改革を行っている。ペッチュ氏は、利益を向上させるため同社の膨大な業務のいくつかにおいて、指導力を発揮する必要がある。そのうちのひとつが、ドイツ国内における従業員削減だ。
この業界が直面する課題はほかにもある。アジア市場の低迷と不安定な原油価格が大きな損害をもたらしかねない情勢だ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら