トヨタはVWグループに抜かれてしまったのか 明け渡した販売トップ、カギ握る中国市場

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世界の自動車産業におけるトヨタ自動車と独フォルクスワーゲン(VW)の頂上決戦が、さらに過熱している。

2014年度(2014年4月~2015年3月)のグローバル総販売台数で、VWがトヨタを僅差でかわし、初のナンバーワンに立った模様だ。トヨタが0.3%増の1016.8万台と伸び悩んだのに対し、VWは3.3%増の1018.4万台(速報値)だった。

2014年暦年(1~12月)では、トヨタが1023.1万台でトップ、VWは1013.7万台で、その差は約9万台あった。暦年と年度でトップが入れ替わる「シーソーゲーム」となっている(グローバル販売台数は、トヨタのダイハツや日野ブランド、VWのアウディやポルシェなどのそれぞれのグループにある別ブランド、および、持分法適用の中国も含む)。

VWの勢いを生んでいるのは、2300万台超という世界最大市場となった中国だ。中国での販売台数は、トヨタが103万台でシェアが4%台にとどまっている。対して、中国進出30年超で強固な事業基盤とブランドを構築しているVWは367万台と圧倒する。 少し前の年率10%台増からは鈍化しているものの、中国は依然1ケタ半ばの伸びが続いている。

今後のトップ争いは中国市場の成長を取り込めるかどうかにかかっている。

新型HVに新工場 中国市場でトヨタも反撃

4月20日に開幕した上海国際モーターショー。トヨタは中国現地で開発・生産する新型ハイブリッド車(HV)「カローラHV」「レビンHV」を発表した。中国では現地組み立ての「プリウス」や日本から輸出したレクサスのHVモデルなどを販売してきたが、価格の高さなどから苦戦しているのが実情だ。

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