フォルクスワーゲン、排ガス不正の波紋 苦戦する日本市場への影響は?
ドイツ本社で発覚したディーゼル車排ガス不正の波紋。日本法人では対象車種を展開していないが、ブランドイメージ悪化に伴う影響は免れそうにない。
都内のあるディーラーは問題発生以後、既存顧客に電話をかけて現状説明を続けている。首都圏でフォルクスワーゲン(VW)を主に扱う販社関係者は、「うちは昔からのお客さんが多いので、説明を尽くせばつなぎ留められる。ただこうなると、新規客を獲得してきたディーラーは厳しいだろう」とこぼす。
巻き返しに新車を発売したが・・・
もっとも、今回の問題が発覚する前から、新車販売は苦戦していた。今年上半期(1~6月)は前期比16.5%減の2万9666台。輸入車販売でトップシェアを10年以上保ってきたが、今回は半期ベースでメルセデス・ベンツ(3万2680台)の後塵を拝した。関東エリアで複数ブランドの輸入車を扱う販社の担当者は、「最近のVWは新鮮味に欠け、売れる車種が出てこない」と不満を漏らす。
こうした中、下半期の巻き返しに向けて、セダンタイプの新型「パサート」など複数車種を7月に発売した。フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)の庄司茂社長(当時)は発表会で、「パサートを起爆剤に、もう一度みなさんをVWに振り向かせる」と熱っぽく語り、トップシェアについても「逆転してきたい」と意気込みを示していた。が、庄司氏は、7月末で突如辞任。さらに本国で不正が発覚するなど、“不慮の事態”が重なっている。
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