大河ドラマ主役「蔦屋重三郎」現代の"ヒットメーカー"との共通点 作家たちとの交流で大事にしたこと

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また、作家の五木寛之氏と「どうしても仕事がしたい」と、見城氏が思ったときも「五木さんが長編小説を出版したり、短編を発表したり、エッセーが掲載されたりするたび、そのすべてを読み込んで、感想を五日以内に書いて手紙で出すことを続けた」(同前)そうです。

見城氏は「編集者は惚れ込んだ作品に対して、遮二無二突き進んでいかなくてはならない」(同前)とも語っていますが、蔦屋重三郎も、見城氏と似たタイプだったのかなと、私は想像しています。

若き戯作者たちと交流を深めた蔦重

重三郎は、若き戯作者たちと、自身が生まれ育った吉原で交流しました。それを「吉原外交」と称する人もいますが、戯作者たちも、吉原に出入りすることで、創作意欲を刺激されたでしょう。重三郎を通して、戯作者同士も交流し、それがまた、刺激にもなったはずです。

前述した歌麿や馬琴、京伝にとって、重三郎は恩人でした。その恩人が作品の依頼をしてきたら、戯作者たちは、うれしかったでしょうし、創作にも力が入ったはずです。そして、良作が生み出される。重三郎と戯作者との交流が、好循環を作り出していたのです。

(主要参考引用文献一覧)
・松木寛『蔦屋重三郎』(講談社、2002)
・鈴木俊幸『蔦屋重三郎』(平凡社、2024)

濱田 浩一郎 歴史学者、作家、評論家

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はまだ こういちろう / Koichiro Hamada

1983年大阪生まれ、兵庫県相生市出身。2006年皇學館大学文学部卒業、2011年皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は日本中世史。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『あの名将たちの狂気の謎』(KADOKAWA)、『北条義時』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)など著書多数
X: https://twitter.com/hamadakoichiro

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