「どちらを選択すべきか」決めるときに考えたいのは、「ご縁」を感じるかどうか。“経済的な物差し”で選び過ぎないこと

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ご縁を感じるほうを選べば、多少割に合わなくても、先方から感謝の言葉がいただけたりして、くやしく思うことはないでしょう。二元論を手放して、ご縁を大事にすれば、大きな後悔は少ないと思います。

2020年に起こった新型コロナウイルス・パンデミックは、人々の生活にはもちろん、仕事にも大変な影響を及ぼしました。私の庭園デザインの仕事においても大変な事態が起きました。

なかでも、ある方とのご縁でデザインをした海外プロジェクトが進まなくなってしまったのは、大変残念な出来事でした。私自身、楽しみにしていたプロジェクトでした。

何度か現地に足を運び、設計もかなり細かな部分まで仕上がっていて、「さぁ、工事監理に移るぞ」という矢先に新型コロナウイルスが襲来したのです。

いろいろな仕事をやりくりしながら、ようやく着工段階までたどり着けたものですから、とてもがっかりしましたが、すぐに思い直しました。

途中で断念せざるを得なかったということは、この仕事には縁がなかったんだ──そう思うことで納得できたのです。そして、次の仕事にすぐに全力投球できました。

もしこれが「話題になるプロジェクトだし、すごい売り上げになるぞ」などと損得勘定で請け負っていたならば、平静ではいられません。「なんで、こんなときにコロナが……」とショックが大きく、何もやる気が起きなくなっていたかもしれません。

さらに、次に同じようなプロジェクトのチャンスがめぐってきても、消極的になってしまうかもしれません。ご縁を判断基準とすれば、悩まず迷わずに生きることができます。

自分の判断に執着し過ぎない

「朝令暮改」という言葉があります。文字どおり「朝出された命令が夕方には改められる」という意味であり、ルールや方針が頻繁に変わることをいいます。

リーダーが方針を頻繁に変更すると現場は混乱し、業務効率が低下します。部下や周囲の人たちは、また変更されるのではないかと不安を抱え、モチベーションが下がります。そのようなリーダーは、信頼を失いかねません。

朝令暮改は一般的にはネガティブなイメージが強い言葉ですが、良い面もあります。状況が急激に変化するなかでは、迅速に方針転換することによって危機を回避できます。

また、競争が激しく不確実性が高い場面では、柔軟に対応することで組織の生存につながることもあるでしょう。

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