中国人がドラッグストアにハマる本当の理由 台湾カリスマ案内人、日本製品の魅力を語る

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――先ほど、メーカーへの取材でマスクシートのパッケージに注目していましたね。効能だけでなく、見た目もやっぱり重要なのでしょうか。

買い物のときには、まず見た目で判断します。第一印象が良ければ、購入につながる可能性も高くなる。効能が書かれていてもその場では読めないですから。男女を問わずに人気なのは、なんと言っても赤や金色で、キラキラしているもの。プレゼント用にも映えるため、中華圏に共通した好みだ。だから、赤くてキラキラしたロート製薬の目薬、「リセ」は非常に人気が高い。

――最近では、鄭さんから取材を申し込むだけではなく、日本のメーカーや自治体から面会を要請されることが多いとか。どのような要望が多いのでしょうか。

一番多いのは、新刊への掲載依頼。あとは、インバウンド対策としてどのようなことをすればよいのか、アドバイスを求められることもある。某化粧品メーカーでも、抹茶のコスメが売れるのではないかという私のアドバイスをもとに商品を作り、外国人観光客向けに評判がよいといっていた。最近は、「イトーヨーカドー」などGMSから声がかかることもある。いくつかのメーカーからは、専属コンサルタントの契約をオファーされてたが、私の書籍は客観性が命なので、専属契約を結ぶつもりはない。

来日前に通販で買い、ホテルに届けてもらう

――今年7月に出た最新刊では、大手メーカーのものだけでなく、金沢のローカルコスメを特集しています。台湾人は地方にも興味を持っているのですか。

台湾人は、世界中の観光客のなかで一番日本を熟知している。東京や大阪は熟知していて、リピーターも多いから、それだけでは、もう満足できない。だから、地方に行きたい。また、中国人があまりいないところに行きたがる傾向がある。近年は中国人の間で京都の人気が高まっているので、台湾人は、京都に似た雰囲気のある金沢に目を向けている。北陸新幹線が開通したときも話題になった。地方コスメ特集は、最新刊のなかで最も反応がよかったものだ。

ホテルに届いた段ボールが山積みに

地方観光に目を向けるのには、もう一つ理由がある。

台湾人も中国人と同様”爆買い”を楽しみに来日するが、その方法は異なっている。彼らは台湾にいるうちから、日本の「アマゾン」などの通販サイトで買い物をし、日本で滞在予定のホテルを送付先に設定する。そうすることで、日本滞在中は十分観光に時間を割いて地方まで足を伸ばし、同時に買い物もしっかりできる。賢明でしょう(笑)。

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