爆買い需要に乗る「中国版ツイッター」の正体 「微博(ウェイボー)」の現場トップを直撃
今や、中国人による”爆買い”が、話題にならない日はない。
7月31日に観光庁が発表した「訪日外国人消費動向調査」によれば、2015年4~6月期の訪日外国人による旅行消費額は、8887億円と、6四半期連続で最高値を更新した。牽引しているのは中国人による消費。8887億円のうち、中国人による旅行消費額は40.3%と、2位で16.5%の台湾人を大きく引き離す。1人当たりの消費額も群を抜いており、中国人の1人当たり消費額は28.5万円と、やはり2位で18.1万円の米国人を上回り、ダントツである。
爆買いする訪日中国人もよく利用しているのが、”中国版ツイッター”として有名な「微博(ウェイボー)」だ。微博は2010年にスタートし、2014年末時点で1.75億人の月間ユーザーを擁する、SNSの大手である。今回、主席執行官として実務を取り仕切る王高飛氏が来日、東洋経済の単独インタビューに応じた。爆買い需要を自らのビジネスにどうつなげようとしているのか。その狙いについて聞いた。
大手だけでなく中小とも手を握る
――今回、日本を訪れた目的は。
市場の可能性を確かめ、営業戦略のパートナーとなる、日本企業を探すためだ。日本では大手広告代理店を訪れたことがあったが、戦略上のパートナーを探しにきたのは、今回が初めて。今後は日本法人を設立することも検討している。微博はツイッターに似たサービスだが、インバウンド(訪日外国人)需要が高まる中、日本企業の中国に向けた様々な宣伝活動に生かせるはず。日本企業には、微博を窓口に、中国により正確な情報を伝えるメリットがあると考えている。
――日本で微博をどのように展開するのか。
微博の企業アカウントは、全体で80万~100万件あるが、日本企業は約5000社と、まだまだ少ないのが現状だ。もちろん、トヨタ自動車など中国に拠点を持つ日本の大企業は、微博のアカウントを持っているが、今後はまだ中国に進出していない中小企業にも、微博を広めていきたい。今回は、大企業の幹部と会うのに加え、中小企業を含むより広い層の熱気や意欲を肌で感じたうえで、日本での今後の展開方針を考えたい、という目的で訪日した。