爆買い需要に乗る「中国版ツイッター」の正体 「微博(ウェイボー)」の現場トップを直撃

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――微博にとって、日本は、事業成長の可能性が高い重要な市場か。

もちろんだ。ただ、日本企業は欧米や韓国の企業との比較では、微博の利用について、やや保守的な傾向があると感じている。

――中小企業に向けた具体的なプランは。

かつて中国人が持つ日本企業の知識は、トヨタやソニーといったところにとどまっていた。が、最近はファッションや食品の分野でも、日本への関心を高めている。インバウンド需要を追い風に、日本のどこでどのような商品を買えるのか、といった情報について、微博を通じ発信していきたい。世界最大級のEC(ネット通販)企業のアリババは、微博の発行済み株式の約30%(議決権ベースでは14%)を持つ大株主。微博はアリババへの送客支援をしており、日本の商品の掲載情報をもっと増やすことで協力したい。

中国政府も支持してくれる

――中国では、テンセントのメッセージアプリ「微信(ウェイシン/ウィーチャット)」が利用者数を伸ばす中、微博は苦戦しているのではないか。

微博は友人などのネットワークを通じ、情報を発信し拡散できるサービスだ。足元の月間利用者数(MAU)は、約1億9800万人と前年比で38%伸びており、成長を続けている。確かにテンセントの「微信」も、MAUを伸ばしているが(2015年6月時点でMAUは約6億人、前年同月比37%増)、あくまでチャットが中心であり、サービスとして種類が異なると考えている。

――検索や投稿の制限など、中国政府によるインターネット規制が、微博をはじめとするネットメディアに与える影響は。

確かに報道に対する規制は厳しいが、それ以外の分野ではそれほどではない。中国政府は微博を非常に支持しており、北京市をはじめとする省や市の公式アカウントでは、人々への情報発信で大きな役割を果たしている。もし、すべてにおいて規制が厳しければ、地方行政機関が公式アカウントを持つことなど許されないだろう。

                       (撮影:今井康一)

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

2008年東洋経済新報社入社。産業担当や週刊東洋経済編集部の大型特集を歴任。2020~21年に会社を休職して、米国に留学(フルブライト奨学生)。帰国後は再び週刊東洋経済編集部に所属の後、解説部で米国の政治経済やテック情勢を担当。2024年7月から3度目の週刊東洋経済編集部所属。直近では「上場企業クライシス」「半導体異変」「進撃のアクセンチュア」などを取りまとめた。

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山田 泰弘 東洋経済 記者

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やまだ やすひろ / Yasuhiro Yamada

新聞社を経て、2014年に東洋経済新報社入社。IT・Web関連業界を担当後、東洋経済オンライン、会社四季報オンライン、会社四季報、会社四季報プロ500などの編集を担当。デジタル時代におけるメディアの変容と今後のあり方に関心がある。アメリカ文学、ブラジル音楽などを愛好

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