一流秘書が教える、好感度を高める「気配り術」 "想像力のない気づかい"はトラブルを呼ぶ

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こんな話を聞いたことがあります。

車椅子の方はレストランで食事をするとき、たいがい車椅子のままお食事をしているでしょう。でも、あるホテルのスタッフは、車椅子でいらした方や付き添いの方に、「こちらの椅子に移動されますか?」と尋ねるそうです。そうやって聞かれた方の中に、涙を流して感動する方がいたのだとか。

なぜかというと、本来、車椅子は普通の人にとっての電車や自転車のような交通手段であって、自分の体の一部ではない。本当はちゃんと椅子に座って食べたいのに、当たり前のようにお店の椅子をよけて車椅子のままテーブルにつくことになっているのが、すごく悲しいことだったそうです。

この話を聞いて、私たちが当たり前だと思っていることも、そうとは限らないんだと気づかされました。「みんながやっていることなんだから、それがベストだ」と思って思考停止に陥らないことが大事です。

アイデアは1のために10準備する

気配りは自分のためでなく相手のためにすることです。自分が何を欲しているかはわかるけれど、相手が何を欲しているかは想像するしかない。だから気配りにおいては、想像力がすごく大事。

自分がよかれと思うことだけをしていては、本当に喜ばれる気配りはできません。常に相手をベースにしたものの考え方をすることです。

例えば来客時のお茶出しでAさんが冷たいお茶を喜んでくれたからといって、Bさんも同じように喜ぶとは限らない。Aさんのときの成功体験は忘れて、Bさんを基準として、何が喜ばれるかを一から想像して探っていくしかありません。

いちばんいいのは、複数の選択肢を準備しておくことです。自分の引き出しを増やして、できることを増やせば、思いがけないことを言われてもすぐに対応できるでしょう。

私は尊敬する上司から、「1つの事案に対して、常に10の戦略を考えろ」と言われていました。アイデアは1つしか採用されないとしても、常に10考えて、9ボツにする。そんな思考がいちばん大事だと思います。

前項で車椅子でレストランにいらした方が、車椅子のまま食事をするのではなく、一般の方と同じ椅子に座って食事ができたので、涙を流して喜んだというエピソードをお話ししました。

この気配りを可能にしたのは、何だと思いますか?

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