デイカス新社長「子供時代にセブンで働いていた」 「父が加盟店オーナー」
ーークシュタールの買収提案はセブンの企業価値を高めると考えているか。
デイカス氏:私にも分からない。現在クシュタールとは建設的、定期的な話し合いを進めている。ただ特に米国での(競争法に関する)規制のハードルは高い。実はクシュタールとは今日も話し合いを持った。(規制当局による買収審査に)2年以上もかかり、塩漬けになるようなことは、一番株主価値にそぐわないことになると思う。
ーー人事案に対する決議は満場一致だったのか。在任終盤に株価が低迷した理由をどう分析するか。
井阪氏:票数については控えるが、圧倒的多数で承認された。われわれとして決して満足できる株価ではなかったが、国内の事業構造変革はある程度めどがつき、海外のコンビニエンスストア事業でもライセンスモデルから(すでにサプライチェーンを持つ企業に出資する)エクイティーモデルにかじを切った。成長できる素地は作れたかなと思っている。
ーー社長交代は、株価低迷などの責任をとる引責の意味があるのではないか。
井阪氏:そういうことは全くない。国内の事業構造改革が一定程度めどがつき、グローバルなコンビニエンスストアのチャンピオンとして成長していくんだという新しいフェーズに入った。スティーブは本当に勤勉で献身的で、勉強をすごくしていて、国内マーケットについても熟知しており、海外でも相当な仕事をやってきている。能力を生かして海外やセブン-イレブンを成長させ、株主にしっかり還元させてほしい。
ーー米バリューアクト・キャピタルなど、物言う株主(アクティビスト)との対立などで本業に専念できなかったのではないか。
井阪氏:対立というか、外部の声を聞いて勉強したところも随分あったと思う。ただあの方たちが言うとおりにやっていたら大変なことになったと思う。自分たちが置かれている環境などを考えながら、どういう形で構造改革を実現するのか、実務的にやっていかなければ、実現できなかっただろうと思う。
著者:長谷部結衣、吉田昂、松山かの子
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