鉄鋼より自動車産業を優先した石破政権の腹の内 「日本製鉄で譲歩し関税逃れ狙う?」トランプ懐柔へ深謀遠慮

ドナルド・トランプ大統領が仕掛けてきた貿易戦争に対して、日本は「獣を突くな」というアプローチを取るようだ。
2月7日のトランプ大統領との首脳会談において、日本製鉄によるUSスチール買収を巡る問題で、石破茂首相は先手を打って譲歩した。複数の情報筋によると、石破首相が飛行機に乗る前に、トランプ大統領へのメッセージを決めていたという。
石破首相が日本製鉄が合意したことをトランプ大統領に伝えたのか、それともあいまいなままにしたのかは定かではない。いずれにせよ、首脳会談後の記者会見で、トランプ大統領は日本製鉄が合意したと主張したが、これは事実ではない。大統領が聞きたいことを聞いたか、作り話をしたかのどちらかだ。
石破首相はトランプ大統領の発言を支持
いずれにせよ、トランプ大統領は「日産(日本製鉄のこと)は非常にエキサイティングなことをするつもりだ……彼らはUSスチールを所有するのではなく、USスチールに多額の投資をすることに同意した」と宣言した。石破首相も「大統領がおっしゃるように、これは買収ではなく、投資なのです」と、この発言を支持した。
石破首相は、日本製鉄の幹部がハワード・ラトニック商務長官と会談することをワシントンに同意させ(日本製鉄はトランプ大統領本人を望んだ)、それを一歩前進と呼んだ。日本製鉄の考えをよく知る関係者によれば、日本製鉄はそのことに感謝していたという。
しかし石破首相は、出資比率(100%か、100%未満の過半数か、あるいは支配権を奪う少数株主か)の交渉は日本製鉄次第だと述べた。日本製鉄側は、政府の指導には従わない。むしろ、合併協定を議論の出発点とするつもりだ。
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