築41年賃貸を活用「アーティスト活動拠点」の異彩 カオスで楽しい空間が話題の「赤羽異地番街」
「3組6名のアーティストが入居して未活用の4部屋が埋まったので賃貸募集という観点での成果も上々です。Gakkiさんと曾原さんがイベントを積極的に開催してくれたおかげもあり、地域住民との交流も深まっています。
さらにオーナーとアーティストの信頼関係も高まり、現在は物件清掃をアーティストに委託することに。清掃報告はコミュニティアプリで行うため、異変があると即教えてもらえるので助かっています」
プロジェクトの開始当初は未活用のスペースを若手アーティストに貸し出すことが目的であり、ここまでの成果は予想していなかったかもしれない。ただ、実際にイベントなどを行ってマンションや地域の住民などと交流が生まれるなどオーナーも想像以上の手応えを感じているはずだ。
オーナー、管理会社、アーティストが連携してこそ得られた成果なので、単に「型」を真似るだけで成果が出るほど甘くないが、新規の入居者獲得に苦しむ築古賃貸マンションを活性化するためのモデルとして注目に値するだろう。

「赤羽と言えばアートの街」と言われるようにしたい
今後の抱負を、オーナーや管理会社から任されてGakkiさんと共同で赤羽異地番街の入居管理やイベントを企画するディレクターの曾原さんは語る。
「赤羽という街は飲み屋街のイメージが強く、芸術文化のイメージが希薄です。ただ、実際は舞台や音楽関係の住民なども多く、潜在的なポテンシャルは高いと思います。
私の夢はアートを通じた街づくりです。創作活動やイベントに加えて、同じ敷地内にもう1つある『リバーサイド赤羽マンション』の部屋を改装してギャラリースペースとして貸し出す取り組みも始めました。赤羽異地番街の取り組みを通じて、将来的に『赤羽と言えばアートの街』と言ってもらえるよう頑張りたいです」

未活用の倉庫を若手アーティストの創作活動拠点として提供することで、築古賃貸マンションの活性化に取り組む「赤羽異地番街」。
オーナーと管理会社の活性化したいという想いに、若いアーティストの情熱や才能が掛け合わさることで新たな息吹を吹き込み、再生の一歩を歩み始めようとしている。住人や周辺地域も巻き込み、より大きな力になれば、赤羽をアートの街に変える可能性も秘めている。
(取材・文/冨丸 幸太)
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