──後に夫となるNHKプロデューサーの故・林新(あらた)氏との出会いによって、透析治療について詳しく知るようになりました。
夫と出会ったのは彼が血液透析を始めて8年目だった。当初、透析には週に何回か病院に行って点滴をするような漠然としたイメージしかなかったが、同行すると患者にとって極めて負担の大きい治療だと痛感した。4センチメートルぐらいの太い針を2本刺して、体内の血液をいったん全部外に出して浄化して戻す、こんな侵襲性の高いことをしているのかと驚いた。
透析の特殊性は、外から見たイメージと本人が受けている負担との間の乖離にある。歩いて病院に行って帰ってくる、食事も普通にできているように見えるなど、はた目には普通なのに、透析を止めたら確実に死ぬ。そんな過酷で孤独な立場に患者たちはいる。
──周囲に理解されず、誤解や偏見を感じたこともありました。




















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