藤原喜明、がんの俺を救ったカール・ゴッチの教え あと3カ月、発見が遅れていたら死んでいた

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そんなムチャなことばかりやってたよ(笑)。馬鹿馬鹿しいことだけど、それがプロレスラーの性なのかな。そんなデタラメな患者をしっかりと診てくれた先生と、いろいろ世話してくれた看護師さんには感謝だな。

前田日明が送ってきた"らしい"見舞い品

俺が胃がんになったことは公表してなかったんだよ。芸能人じゃあるまいし、そんな個人的なことをなんで公表しなきゃいけねえんだっていう考えだから、公表するという発想すらなかった。

それで死んだら死んだで、「藤原、最近見ないと思ったらがんだったのか」って思われるだけでいいじゃねえかってな。

他のレスラーやプロレス関係者にも話してなかったんだけど、猪木さんにだけは伝えたんだよ。べつに報告するつもりはなかったんだけど、退院後に猪木さんから電話がかかってきて、「しばらく電話にも出なかったけど、どうしたんだ?」って聞かれたんで、「実は胃がんをやりまして」と言ったら、「何、がんか?」ってしばらく絶句してしまってな。

「いい医者を知ってるぞ」と言ってもらったんだけど、「いや、もう手術も無事成功して退院しましたので大丈夫です。ありがとうございます」って言ったんだ。猪木さんが俺のことを心配してくれたんだよ。

その後、少しずつ仕事にも復帰して、藤原組にいた高橋義生が初めてIGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション)に出るっていう記者会見に俺も出たんだ。それでIGFの事務所に行ったら猪木さんが「お前、大丈夫だったか!」って、すごくうれしそうな顔で迎えてくれてな。

「おい、がんのことは言っていいのか?」と言うから、「いいですよ」って言ったら、高橋義生の参戦記者会見なのに猪木さんは「藤原が胃がんから無事に生還して」って俺のことばっかりしゃべってるんだよ。だからスポーツ新聞にも俺のことばっかり載って、高橋のことは2行ぐらいしか載らなかった(笑)。

高橋には悪かったけど、猪木さんがあんなにうれしそうな顔でしゃべってくれて、俺もうれしかったよ。猪木さんはお兄さんを胃がんで亡くしてるから、心配してくれたんだろうな。

IGFの会見後、俺が胃がんだったことが新聞に載って、それを見た前田(日明)から「大丈夫ですか?」って電話があったんだよ。「藤原さん、死んじゃ嫌ですよ。悲しいですよ」とメソメソしながら言うから、「馬鹿ヤロー、まだ生きてるよ!」って(笑)。

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