藤原喜明、がんの俺を救ったカール・ゴッチの教え あと3カ月、発見が遅れていたら死んでいた

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それで俺もピーンと来て、「いやー、最近ちょっと腹が痛くて」って言ったら、「腹が痛いのね? はいはい」と言われて、無事保険適用で受けられたんだ(笑)。

それで内視鏡検査で調べてみたら、ちっちゃいポリープが7つくらいあってな。それを全部取って、「たぶん大丈夫だとは思うけど、1週間後までにこれががんかどうか調べておくから」って言われた。

そうなるとものはついでだから、胃カメラもやってもらおうと思ってさ。また「先生、胃がムカムカするので胃カメラもお願いします」と言って、胃の中を調べてもらったら4センチのがんが発見されたんだよ。

がんはステージ3だったからリンパ節まで行っていて、5年後の生存率は41.7パーセントだった。のちに先生から、「今だから言うけど、あと3カ月、がんの発見が遅れてたらあなたは死んでたよ」って言われたので、俺はラッキーだったんだよな。

カール・ゴッチに救ってもらえた気がする

なんだか俺はカール・ゴッチさんに救ってもらえた気がするんだよ。ゴッチさんが亡くなったのはこの年の7月28日で、俺が右ヒジの手術を受けたのが8月3日。偶然にもゴッチさんが生きていたら83歳になる誕生日だった。

その直前に訃報を聞いたからこそ、俺も検査してみようという気持ちになったんじゃないかと思う。ゴッチさんは常々、「いちばん大切なのはコンディションだ」と言っていたからね。

そのコンディションを万全にしておくために受けた検査で命が助かったんだ。やっぱりゴッチさんは俺にとって神様だよな。

ただ、ステージ3の胃がんを告知されたときは、正直「もう死ぬんだな」と思ったよ。そして「どうせ死ぬんだから、プロレスラーらしくカッコよく死んでやれ」って思ったんだ。笑っちゃうよな。

手術後、ただじーっとしていると切った傷が横っちょに癒着しちゃうらしくて、ある程度元気になったら歩いたりして、少しずつ運動しなきゃいけないんだ。

そこで俺は「伝説を残してやれ」と思って、手術した翌日から、ひとりで麻酔とか点滴をぶら下げたまま廊下を歩いたわけだよ。同じフロアだけじゃなく、点滴を担いで階段を昇り降りしてな。

次ページちょうど目の前から看護師さんが…
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