藤原喜明、がんの俺を救ったカール・ゴッチの教え あと3カ月、発見が遅れていたら死んでいた

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それで前田は、マムシ2匹に朝鮮人参が入った高そうなもんをごっそり送ってきたんだよ。お礼の電話を入れたら、「これを36度の焼酎に漬けて飲んでください。チンコ勃ちますよ~」って言うから、「バカヤロー、がん患者がチンコ勃ててどうするんだよ!」って言ったのを覚えてる(笑)。

大病をしてわかった「本当の友達」

前田はいろんなもんを送ってくれるんだよ。俺は胃がんをやってから8年間タバコをやめてたのに、「いいパイプタバコが手に入りましたよ」ってごっそりくれたりな。

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「馬鹿ヤロー、俺はタバコをやめてたんだよ」と言ったら、「肺に入れないから大丈夫ですよ」って言うんで、そっからパイプだけは吸うようになってね。ゴッチさんもパイプは吸ってたからな。

それで前田は俺の事務所に来るたびにパイプ煙草を持ってきてくれるようになったんだけど、その代わり俺がつくった焼き物を持って帰るんだよ。あいつは焼き物にも詳しいからさ。

あと俺のオリジナルである陶器のゴジラやモスラとかな。あれはつくるのに1カ月くらいかかるんだよ。前田が来るたびに俺の作品が減っていくから、たまったもんじゃない(笑)。

あとは佐山聡も電話をくれたな。佐山は「僕、がんが治るいい水を知ってますよ」と、段ボールで送ってくれたよ。事務所に置いてちょこちょこ飲んでいたけれど、飲んだ感じはただの水としか言いようがないし、それが効いたのかどうかもわからない(笑)。

佐山も前田も猪木さんと似たところがあるんだよな。信じ込みやすいというか、騙されやすいというか。でも、そうやって俺の体を心配して電話をくれたり、何かを送ってくれたりするんだからありがたいよ。大病をしたときこそ、誰が本当の友達なのかわかるのかもしれないな。

藤原 喜明 プロレスラー

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ふじわら よしあき / Yoshiaki Fujiwara

1949年、岩手県生まれ。72年に新日本プロレスに入門。新人時代からカール・ゴッチに師事し、のちに“ 関節技の鬼”と呼ばれる。84年、試合前の長州力を花道で襲撃し“テロリスト”としてブレイク。同年7月に第一次UWFに移籍し、スーパー・タイガー(佐山聡)、前田日明、高田伸彦(当時)らとUWFスタイルのプロレスをつくり上げる。その後、新生UWFを経て、91年に藤原組を設立。2007年に胃がんの手術をするも無事生還し、今も現役で活躍中。

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