藤原喜明、がんの俺を救ったカール・ゴッチの教え あと3カ月、発見が遅れていたら死んでいた

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そのとき、ちょうど看護師さんが前から来たから、「おはよーございまーす」って言ったら、「はい、おはようござ……えっ、えっ、えっー!?」ってビックリこいてたよ(笑)。

その後、病院の中だけじゃなくて外も歩くようになってな。病院の周りを1周するのに20分くらいかかるんだけど、バイクで足を骨折したヤツと、俺より1週間早く胃がんの手術をしたヤツと3人で、朝方6時頃からそこを3周するようになったんだ。

ひとりだと自分のペースで歩くけど、3人だと負けるのが嫌だから競争するようになって、いい運動になったよ。

手術から9日目くらいで「餃子を2皿」食えた

病院の周りのウォーキングルートには、宇都宮だからちょうど餃子屋の「正嗣(まさし)」があってな。「よし、近々あの餃子を食ってやるぞ」と思いながら歩くようになった(笑)。

でも、ひとりで勝手に食いにいっても結局、胃が受けつけずに食えなかったらお店の人に失礼だから、病院を紹介してくれた人が孫を連れて見舞いに来てくれたとき、「ちょっと頼みがあるんだけど、あそこに餃子屋があるんで一緒に行ってくれよ」ってお願いしたんだ。

それで手術から9日目くらいで餃子を食いに行って、「果たして食えるかな?」と思ったんだけど、2皿食えたんだよ。

そしたらそれが看護師さんに知られてしまって、先生から「お前、餃子を食いに行ったらしいな!」と叱られた(笑)。

その後、しばらくはおとなしくしてたんだけど、あるとき、先生との世間話で「病院の食い物だけじゃ塩味が薄くて油もないから、とんこつラーメンが食いたいな」って言ったら、「とんこつラーメンならここをちょっと行ったところの十字路の向こう側にあるぞ」って言われてな。

先生はもちろん、「退院後に体調が戻ったら行ってみたら?」という意味で言ったんだろうけど、俺は次の日にひとりで行ったんだよ(笑)。

でも、さすがにラーメンは食えなかったな。3口くらい食べたら気持ち悪くなって、ほとんど残したら店主に悪いから、「実は胃がんの手術を終えてから来たもんで。残しちゃってどうもすみませんでした」って言ったんだよ。

そしたらラーメン屋に行ったことも看護師さんに知られてしまって。次の日に先生から、「昨日はラーメンを食いに行ってきたらしいな」と言われたんで、「いや、先生が教えてくれたじゃないですか」って言ったら、「まさかホントに行くとは思わなかったよ」って。

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