国民番号制(マイナンバー)導入まで3年、交錯する期待と不安

同時に、15年にかけて消費税率を10%に2段階で引き上げることに伴い、低所得者に税金を還付する「給付付き税額控除制度」の導入も検討されている。同制度がうまく機能するには所得を正確に把握することが必要であり、番号制はそのために不可欠なインフラと考えられている。

民主党政権になって以降、番号制に関する議論は段階的に進み、昨年末には「法律事項に関する概要」が公表された。その過程で、これまで大きな論点とされてきた監督・苦情窓口である第三者機関に独立性を持たせることや、複数にまたがる所管官庁などが決まった。しかし、詳細が不明な点やこれから詰めるべき論点はいまだに数多く残されている。

利用範囲広げる政府 個人情報保護に疑問も

一つは費用だ。10年6月には最大6000億円超の導入費用がかかるとの試算が出された。現在は「どこまで範囲に含めるかにもよるが、付番にかかる費用や情報連携基盤、(インターネット上で各種情報を見ることができる)マイポータルなどの導入費用で約500億円かかる」(内閣官房社会保障改革担当室)。これに全国民に配布する番号カードや自治体のシステム改修費用、運営コストも含めると、やはり数千億円単位の費用がかかるとみられている。

大きな課題であるプライバシー対策については、「住民基本台帳ネットワークや個人情報保護法の導入時の反対の声を踏まえ、マイポータルによる自己情報コントロールや第三者機関による監視を十分施した」(同)としている。病歴や診療記録など機微にわたる情報を利用範囲に含めるか検討中で、13年の通常国会に特別法案を提出する方向で議論が進んでいる。 

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