国民番号制(マイナンバー)導入まで3年、交錯する期待と不安

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その一方、「本人確認のしやすさとか、行政の効率性向上とか、管理する側の理屈ばかりが先走り、肝心の国民の受益がはっきりしない」(別の自治体)と懸念の声もある。

番号制導入の大きなメリットである所得把握についても、正確に把握するには約8億口あるとみられる銀行預金口座すべてに番号を振る必要があるが、銀行界は「顧客の来店機会は限られ、完全な付番は不可能」(全国銀行協会)と及び腰で、どこまで実現するか不透明だ。

内閣府が昨年11月に実施した世論調査によると、「(番号制の)内容まで知っている」と答えた人の割合は16・7%にとどまり、「知らない」と「内容は知らないが、言葉は聞いたことがある」と答えた人の割合は8割を超える。

数千億円の費用に見合う便益があるのか、また番号制で何が可能になり、どんな限界とリスクがあるのか。社会や行政を大きく変える可能性を秘めた番号制を深く理解しないまま議論が進むようだと、これほど不健全かつ不幸なことはない。 


(撮影:大塚一仁 =週刊東洋経済2012年2月18日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

山田 徹也 東洋経済 記者

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やまだ てつや / Tetsuya Yamada

島根県出身。毎日新聞社長野支局を経て、東洋経済新報社入社。『金融ビジネス』『週刊東洋経済』各編集部などを経て、2019年1月から東洋経済オンライン編集部に所属。趣味はテニスとスキー、ミステリー、韓国映画、将棋。

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